その人の始まりは怒りっぽい人からだった。
いつも自信がなくて誰かに何か言われることにおびえているようだった。
怒られそうなことは絶対に手を出さなかった。
消極的になり相手の顔色を見て決めていた。
自分がなかった。
目立つことを嫌った。
新しい服を着て出た日や、髪を切った日は恥ずかしがった。
声をかけられる事も嫌がった。
一人が好きになっていた。
その人の始まりは世話焼きの人からだった。
その人が何も表現しなくてもよかった。
周りが全部かたずけてくれた。
自分で決められない人だった。
周りの目を気にして過剰だった。
自分が好きで、他人の話には黙っていた。
その人は相手のことを考えることが欠けていた。
自分の話を聞いてくれる人間には優しく、非難する人間には厳しかった。
その人のやさしさは偽りだった。
過剰なまでの愛情は人格に偏りを与える。
シーソーに乗っても楽しくない状態だ。
愛されて育ったのだろうけど、その愛は善意の押し売りのようで居心地が悪かった。
歪んだ愛情からは歪んだ愛し方しか学ばないだろうか。
心の奥の自信の泉は枯渇している。
軽く絶望しているので危機的状況に至ったら覚醒しそうだ。
浮かれたルンルン状態には酔っぱらった時以外なさそうなので現実的。
大きく欠落している者同士は結びつきやすく危うい。
うっかり落ちたら後がこわい。
同じ周波数になってはならない。
ひとりで生きるには長い人生になりそうだ。